遺伝子病とは

遺伝子病とは、遺伝子に変異が起こることで発症する病気です。
遺伝子は親から受け継ぐため、遺伝子病もその遺伝子を持った家系に伝わっていきます。


遺伝子病検査の役割

遺伝子病検査を受けて病気の発症リスクを知ることにより、発症する前に将来の未病を改善できる可能性があります。
また、親から受け継いでしまった病気を次の世代に残さずに無くしていくことができます。


遺伝子病検査でわかること

検査対象となる犬猫が遺伝子病疾患のリスクを持っているかどうかが分かります。
遺伝子病検査の診断結果は「クリア」「キャリア」「アフェクテッド」で分かれ、検査結果に応じて対策を取ることが重要です。

・クリア
遺伝子疾患のリスクがある原因遺伝子を持っていません。

・キャリア
遺伝子疾患の原因遺伝子を片親犬から1つ引き継いだ状態です。
遺伝子疾患の発症率は疾患により異なるものの、優性遺伝する原因遺伝子を持っている場合、発症するケースがあります。

・アフェクテッド
遺伝子疾患の原因遺伝子を両親犬から2つ引き継いでいる状態です。
発症リスクはありますが、一生発症しないケースもあれば、発症時期にも個体差があります。
リスクを事前に把握し、症状が出始めたときに早期に対策することで重症化を防げます。


主な検査項目


・変性性脊髄症(DM)せきずいしょう
脊髄の変性による進行性の中枢神経障害。腰がふらつくなど、下半身の麻痺症状にはじまり、徐々に上半身へと広がる。最終的に呼吸中枢が侵される。10歳頃から症状がみられる場合が多く、発症後は3年程度で死に至る。
・家族性腎症(FN-Type-a)
腎臓の糸球体の構造異常により、タンパク質が漏出してしまい、多飲・多尿、体重減少、食欲減退、体重減少などの腎不全の症状を起こす疾患。
・第Vll因子欠乏症
血を固める因子の異常による止血障害。ケガや手術のときに血が止まりづらくなり、出血が原因で死に至ることもある。通常の生活の中では症状がみられないことが多い。
・グリコーゲン蓄積症(GSDIa)
マルチーズにみられるグリコーゲン蓄積症はグリコーゲンを分解する酵素が欠損するために全身にグリコーゲンが蓄積し、低血糖による痙攣を起す。 死産が多く、生まれても治療しないと離乳期までに死亡する。
進行性網膜委縮症(PRA)
網膜の変性による進行性の視力障害。暗い場所での視力の低下にはじまり、徐々に明るい場所でも目が見えづらくなり、失明に至る場合もある。発症時期や進行スピードは品種や個体により差が大きい。
神経セロイドリポフスチン症(CL)
神経細胞内に老廃物が蓄積することによる中枢神経障害。ふらつきなどの麻痺症状にはじまり、進行すると異常興奮などの精神症状もみられる。多くの場合で死に至る。発症時期や進行スピードは品種により差があるが、多くは1歳頃から発症し、3歳頃までに死に至る。
・高尿酸尿症(HUU)
尿酸の代謝異常による排尿障害。尿酸塩結石ができやすく、それが尿路につまることにより排尿量の減少や血尿などの症状がみられる。
・プレカリクレイン欠乏症(PK)
血を固める因子の異常による止血障害。ケガや手術のときに血が止まりづらくなり、出血が原因で死に至ることもある。通常の生活の中では症状がみられないことが多い。
・フォンウィルブランド病1型(VWD)
血を固める因子の異常による止血障害。ケガや手術のときに血が止まりづらくなり、出血が原因で死に至ることもある。通常の生活の中では症状がみられないことが多い。


・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)
赤血球の寿命短縮による貧血。すぐに疲れる、運動をしたがらない、歯茎が白くなるなどの貧血症状を示す。重症の場合、死に至る。発症時期や重症度には個体差が大きく、数カ月例で発症する個体もいれば、5歳齢を超えてから発症する個体もいる。
多発性嚢胞腎(PKD)
嚢胞形成による進行性の腎障害。疲れやすい、食欲不振、多飲多尿、嘔吐などの慢性腎臓病様症状がみられる。発症時期や重症度には個体差が大きく、3歳齢頃から症状がみられる個体もいれば、無症状の個体もいる。
肥大型心筋症(HCM)
心筋の異常による心機能障害。少しの運動で呼吸が荒くなる、疲れやすいなどの症状がみられる。血流の悪化から血栓症を引き起こし突然死する場合もある。数カ月齢で発症する個体もいれば、15歳を超えてもほとんど症状がみられない個体もおり、発症時期や進行スピードには大きな個体差がある。


遺伝子病検査証明書の発行について

B6サイズの厚紙に印刷もしくは、PDFデータにてお渡し致します。

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